建築基準法が適用される昇降機について

建築基準法が適用される昇降機について

建築設備としての昇降機とは

【関連法令】建築基準法第2条、施行令 第2項 第129条の3第1項

建築基準法では、「建築設備」とは建築物の一部として設置され、建物の機能を維持するために必要な設備を指します。一方で、工場や作業場で使われる生産設備など、建築物の機能に関係なく独立して動く機械設備は含まれません。
「昇降機」とは、動力を使って人や物を上下や水平に移動させる設備を指します。そのため、建築設備としての昇降機は、建物の利便性を向上させるために設置され、人や物を運ぶ役割を持つ設備のことを意味します。

昇降機の種類

昇降機は、以下の3種類に分類されます。

  • エレベーター

    エレベーター

    ・動力で動き、人や物を「かご」に載せて運ぶ装置
    ・かごの床面積が1㎡を超える、または天井の高さが1.2mを超えるもの。
    ・段差解消機やいす式階段昇降機も含まれる。

  • エスカレーター

    エスカレーター

    ・動力で動く、階段状または歩道状の設備。
    ・人を継続的に運ぶために設計されている。

  • 小荷物専用昇降機

    小荷物専用昇降機

    ・エレベーターに似た構造を持ち、動力で物を運ぶ装置。
    ・かごの床面積が1㎡以下、かつ天井の高さが1.2m以下のもの。

建築設備としての昇降機に該当するもの

以下の設備は、建築基準法の適用を受ける「建築設備としての昇降機」に該当します。

建築物内に設置される昇降機

・エレベーター
・エスカレーター
・小荷物専用昇降機
・段差解消機
・いす式階段昇降機

建築物に付属して設置される昇降機

・エレベーター
・エスカレーター
・段差解消機
・いす式階段昇降機

これらの設備を設置・運用する際は、建築基準法に従う必要があります。

建築設備としての昇降機に該当しないもの

【関連法令】建築基準法第2条、第34条
以下の設備は、建築設備としての昇降機には該当しません。

A. 生産設備や荷役設備

・工場、作業場、倉庫などに設置され、生産工程や荷物の移動の一部として使用される。
・人が直接操作せず、物品の出し入れが自動で行われる。
・人が乗り込む危険がない構造のもの。

B. 機械式駐車場や立体自動倉庫

・自動車や自転車の駐輪、物品の保管を目的とした設備。
・施設内で荷物が自動的に移動する仕組みで、人が乗り込む危険がないもの。

C. 荷役専用の昇降装置【テーブルリフター・ドックレベラーなど】

・工場や倉庫の荷捌き場に設置される設備。
・降範囲が1.5m以下で、物の運搬のみを目的とするもの。
・安全のために回転灯やはさまれ防止措置が推奨される。

人が乗る場合の取り扱い

次の①または②のように、人が搬器(荷物を運ぶ部分)に乗る場合は、「昇降機」として扱われるため注意が必要です。

①運転者が搬器に乗り込み、操縦しながら動かす場合。
②荷物の付き添いとして人が搬器に乗る場合。(ただし、搬器以外の場所から操作する場合や、自動運転の搬器に付き添って乗ることは認められません。)

荷物専用リフターは、人が誤って搭乗することによる事故防止のため、設置場所の最寄りで、視認しやすい位置に人が搭乗できない旨の標識等を掲示するとともに、搬器の上から操縦できないよう操作器は、搬器から手の届く範囲に設けないこと。 また、専従者等以外の者が操縦又は搭乗するおそれがあるものは、鍵等を設けるか使用時以外は電源を切る等の措置をとること。

D. 自動搬送システム 【垂直搬送機】

・物品を自動で運搬する設備。
・人が乗ることを想定していない。

E. 舞台設備のせり上げ装置

・劇場やステージで使用される昇降機構。
・舞台演出のための設備であり、一般的な昇降機とは異なる。

F. 自転車搬送装置

・自転車専用の搬送システム。
・建築基準法上の昇降機には該当しない。

これらの設備は建築設備としての昇降機ではないため、建築基準法の適用範囲外となります。

Area対応エリア

札幌市及び近郊を中心に 北海道全域にて対応しています

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